現地で行った演奏会について
今回の滞在では、講習会やコンクールに加えて、いくつかの演奏会も行いました。
まずは3月29日の夜、コロンボ市内の劇場《Lionel Wendt》にて室内楽コンサート。出演者は、ジュード・ピリス(ギター)、スリマール・ヴィーラシンヘ(オーボエ)、シェハニ・フェルナンド(ピアノ)、日本から舩津美雪(オーボエ/イングリッシュホルン)、そして私、小暮浩史(ギター)です。

前半は、ピリス氏と私によるギターデュオで、バロック作品やフェルナンド・ソルの楽曲を中心に構成しました。初めて顔を合わせる共演で、準備期間も限られていましたが、デュオならではの繊細なアンサンブルを模索する時間となりました。クラシックギターに馴染みのない聴衆に対しても、この楽器の表現の幅を感じてもらえたのではないかと思います。
後半は、舩津氏と私による日本民謡《さくら》から始まり、ヴィーラシンヘ氏とフェルナンド氏によるオーボエ・ソロ、そして出演者全員によるスリランカ民謡の共演へと展開しました。異なる文化的背景を持つ音楽が同じ舞台上で交差する構成となり、音楽を介した交流の力をあらためて実感する機会となりました。来場者は200名を超え、会場には終始、静かな集中と高揚感が保たれていました。

スリランカにおいてとても有名な歌謡曲なども取り入れ、伝統的な西洋音楽と異文化交流のようなプログラムを心がけました。

翌3月30日には、コロンボから北へ約40キロに位置するニゴンボの Benedict XVI Catholic Institute of Higher Education にて、ピリス氏、舩津氏、私の3名によるコンサートを行いました。
こちらは学生や地域の方々が中心で、やはりクラシック音楽を初めて聴くという人がほとんどでしたが、終演後には「初めて生の演奏を聴いた」「また聴きたい」といった率直な声をたくさんかけてもらいました。
コンクールと演奏会は、性格の異なる二つの場でしたが、どちらも今回の滞在の中で欠かすことのできない位置を占めていました。

こうした経験を踏まえ、
次に考えなければならないのは、環境や条件といった、より現実的な課題でした。
平均年収の差や生活環境に起因する「静寂」の生まれにくさなどを考えると、クラシックギター音楽を本来の形で享受できるようになるまでには、まだ時間がかかりそうです。







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